クロスローラーベアリングをこんなに簡単に安く
ドイツのKMF技術者から面白い情報を聞きました。
ベアリングは一般的に転動体(ころ、ニードルや玉)とそれを走らせる転送面(レース面)が必要ですが、クロスローラーは内外輪にV字溝があり、円筒ころが角度90度ひねりで交互に入っている単列で4方向からの荷重を受けれる優れものです。
ローラーを使っているのでローラー当たり面は線接触で非常に定格荷重が高く特にモーメント荷重に強いです。
しかし、直径が大きくなるとそれなりに価格が高くなって内径が300mmとか500mmなんて言うと何十万円もする高価なものになってしまいます。

そのようなサイズのクロスローラーは定格荷重が6トン耐えれますとか凄い高くなってしまいます。
でも内径300mm~500mmのクロスローラーを使う用途はそんな重量物を載せる用途ばかりではないのですよね。
内径300mmで荷重が20㎏とかなんて言う用途も結構あります。
20㎏乗せるだけなのにサイズから選んだら6トンの定格荷重のベアリングになっちゃった、っていうのは無駄すぎます。

そこで、KMFは非常に安価なソリューションとしてクロスローラーの内外輪を焼き入れされたシートメタルで作っちゃおう、と思いついて作ってしまったと。

これ、アルミのハウジングや樹脂のハウジングにも使えるんですよ!
石のハウジングにも使えますし、木製のハウジングでも仕込めます。
保持器はKMFお得意のクロスローラーケージで樹脂製ケージとローラーが落ちない特殊な製品が使えます。直径にかかわらず切って長さ調整できるのでどんなサイズでもOK。
シートメタル製の内外輪も薄板曲げて作るのでどんなサイズでも自由にオーダー出来ます。(最小サイズの制限はありますが)

最高級超高精度高剛性を極めるのも必要ですがコマーシャルベースでは半分ぐらいの用途はこういう安価なソリューションで十分じゃないかと思う次第です。
え?なんで国産ベアリングメーカーにこのような製品が無いか、だって?
そりゃ、基本的に大手軸受メーカーは鍛造された内外輪を切削加工で作るのが仕事なのでこんな板金プレスみたいな製品作ったら工場でやることなくなるからでしょう、と思ってます(個人的な感想です)


