【KMF社発】カーボンニュートラル時代の切り札!

超低トルクボールベアリング保持器で装置のエネルギー消費を劇的に削減

世界的にカーボンニュートラルの実現に向けた動きが加速し、企業には環境負荷低減への具体的な貢献がますます求められています。このような時代において、ドイツのKMF社は、単に自社の事業活動におけるカーボンニュートラルを2020年初頭という早期から達成しているだけでなく、その技術力を通じて、顧客企業におけるエネルギー効率の最大化にも情熱を注いでいます。

今回ご紹介するのは、KMF社が長年の研究開発の末に生み出した革新的な製品、「超低トルクボールベアリング保持器」です。この製品は、機械装置のエネルギー消費を大幅に削減し、お客様の環境目標達成に貢献する可能性を秘めています。

常識を覆す「超低トルクボールベアリング保持器」とは

まず、ベアリングの「保持器」とは、ボール(玉)同士が直接接触し摩擦することを防ぎ、ボールを適切な間隔に保持することで、スムーズな回転を助ける重要な部品です。また、樹脂製の保持器の場合は、材質自体の自己潤滑性によって摩擦を低減したり、グリスを保持するスペースを確保することで潤滑性能を持続させ、長寿命化に貢献したりと、多くのメリットをもたらします。

しかし、KMF社が開発した「超低トルクボールベアリング保持器」は、こうした従来の保持器の役割をさらに深化させ、「究極の低トルク」を目指して設計されています。 写真をご覧いただければ、その独自の形状から、一般的な保持器とは一線を画す設計思想を感じ取っていただけるでしょう。この革新的な保持器が、機械のエネルギー効率を新たな次元へと導きます。

なぜKMF製保持器は「超低トルク」を実現できるのか? その秘密に迫る

KMF製「超低トルクボールベアリング保持器」が驚異的な低トルクを実現できる背景には、緻密に計算された独自の構造と、最適な組み合わせへのこだわりがあります。

1.構造の工夫による摩擦抵抗の極小化

ボール間の間隔は広く設定され、その空間には最適設計されたグリスポケットが設けられています。これにより、適切な量のグリスを長期間にわたって保持し、潤滑性能を持続させつつ、グリスの攪拌によるエネルギーロスを最小限に抑えることが可能です。KMF社では、低トルクを実現するために、粘度の低い00番のようなグリスを少量使用し、長期間安定した油膜を形成することを推奨しています。また、この保持器は、ボールが不意に脱落することのない「保持型」でありながら、ごく小さな2か所の爪でボールを保持する特殊な構造を採用。これにより、ボールと保持器間の不要な接触や摩擦を極限まで削減しています。

2. 最適な軌道輪との組み合わせ

さらなる低トルクを追求するため、KMF社は、この保持器にV溝形状を持つクロスローラーベアリング用の内外輪を組み合わせることを提唱しています。通常、ボールベアリングの軌道輪はボールの曲率に合わせた溝形状をしていますが、ローラー用の軌道輪は平面に近い形状です。この平面に近い軌道輪とボールが点で接触することにより、接触面積が極小化され、従来のボールベアリングでは考えられなかったほどの低摩擦(低トルク)を実現するのです。

導入事例:建物の換気システムファンでの実績 わずかなエネルギーも見逃さない

この「超低トルクボールベアリング保持器」は、すでにその卓越した省エネ性能を様々な分野で発揮しています。特筆すべきは、建物の換気システムに用いられる電動ファンへの採用事例です。

近年、エネルギー効率を最大限に高めるため、多くの建物では熱交換システムを導入し、換気による熱損失を極力抑える工夫がなされています。室内と外気のわずかな温度差を利用して熱エネルギーを回収するこのようなシステムでは、ファンを駆動するモーターの消費電力も最小限に抑えることが極めて重要です。KMF社の超低トルク型ベアリングおよび保持器は、まさにこうした厳しい要求に応え、ファンの消費電力を大幅に削減し、熱交換システム全体のエネルギー効率向上に大きく貢献しています。

KMF社だからできる!柔軟な提供形態と比類なき製品価値

KMF社の「超低トルクボールベアリング保持器」の魅力は、その卓越した性能だけにとどまりません。お客様の多様なニーズに的確に応えるための、柔軟な製品提供体制と付加価値も大きな特長です。

・自由設計の実現: ベアリングユニットとしての提供はもちろん、この革新的な「専用保持器」単体での販売も行っています。さらに、ベアリングも保持器も、お客様の設計に合わせて直径をミリ単位で自由にオーダーメイドすることが可能です。これにより、既存のスペースや特殊な要件にも完璧にフィットする、世界に一つのソリューションをご提供できます。

・究極の軽量化と低摩擦: ベアリングユニットには、KMF社独自の特殊引き抜き材から転造加工で精密に生産された、極めて薄肉な内外輪が用いられています。これにより、製品重量は業界最軽量クラスを実現。また、軌道面(レース面)は1/1,000mmレベルで管理された非常に優れた表面粗度を誇り、摩擦抵抗を極限まで低減しています。

・高い信頼性と耐久性: 内外輪、そしてボールのすべてに高品質なステンレススチールを採用。これにより、優れた耐食性を発揮し、湿度の高い環境やクリーンルームなど、あらゆる条件下でも長期間にわたり錆の発生を防ぎ、安定した性能を維持します。

未来のエネルギー問題解決への貢献 – FT Engineering社と共に

今後、ますます多くの企業が、環境問題やエネルギー消費の課題に対して真剣に向き合わざるを得ない状況が訪れるでしょう。KMF社は、そのような社会全体の課題に対し、長年培ってきたベアリング技術のノウハウを最大限に発揮し、お客様と共に問題解決に取り組んでいます。

KMF社の革新的な「超低トルクボールベアリング保持器」および関連技術にご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ私たちエフティーエンジニアリングまでお気軽にお問い合わせください。お客様の装置のエネルギー効率改善、そしてカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを、私たちがKMF社と共に全力でサポートいたします。