【未来を拓くベアリング技術革新】特殊DLCコーティングが、かつてない信頼性とパフォーマンスを実現する。

(株)ファイブ・テック及びFT Engineering Co., Ltd.は、この度、ドイツKMF社のベアリング向けに独自開発した特殊DLCコーティングを施した新製品を発表いたします。

本コーティング技術は、高硬度でありながら、ベアリング軌道面で要求される高い面圧にも耐え、剥離しないという画期的な特性を実現しました。

新開発の特殊DLCコーティング技術

この度開発した特殊DLCコーティングは、PVD(物理気相成長)方式で成膜される金属DLCを基盤としています。DLC(Diamond-Like Carbon)コーティングは、その優れた硬度と低摩擦性から様々な機械部品に適用されていますが、高硬度であるゆえに、母材との硬度差によって生じる高面圧下での剥離が課題となることがありました。

FT Engineering Co., Ltd.は、この課題を克服するため、コーティング層と母材の間に特殊な中間層を設ける独自の製法を考案しました。この中間層により、コーティングは極めて高い耐衝撃性と大荷重耐性を獲得し、ベアリング軌道面のような厳しい環境下においても剥離することなく、その性能を最大限に発揮することが可能となりました。

独自の技術的優位性

当社の特殊DLCコーティングは、以下の点で一般的なDLCコーティングとは一線を画します。

優れた密着性と剥離耐性:

特殊な中間層の採用により、従来のDLCコーティングでは困難であった、高硬度膜と母材との強固な密着を実現しました。これにより、ベアリング軌道面のような極めて高い面圧が繰り返し加わる環境においても、コーティングの剥離を効果的に防止します。

極めて低い摩擦係数:

金属DLCの特性により、非常に低い摩擦係数を実現します。これにより、動力損失の低減に貢献するだけでなく、万が一潤滑が途切れた状態(ドライ運転)においても、長期間にわたる安定した運転を可能にし、機械部品の損傷リスクを大幅に低減します。

高い耐荷重性:

独自の製法と中間層の最適化により、従来では考えられなかったような高荷重条件下での使用に耐えうるコーティングを実現しました。これにより、機械部品の設計自由度を高め、より過酷な運転条件での使用が可能となります。

用途例と期待される効果

この特殊DLCコーティングは、特に高負荷、高速回転、または潤滑状態が悪化しやすい環境で使用されるベアリングにおいて、その真価を発揮します。KMFベアリングにこの特殊コーティングを施した商品も提供可能です。ボール、ローラー、そしてサイズによっては内外輪へのコーティングも可能です。これにより、無潤滑環境や真空環境にも対応したベアリングの提供を実現します。

●動力損失の低減:

低い摩擦係数により、ベアリングの回転抵抗を低減し、機械全体の動力損失を抑制します。これにより、エネルギー効率の向上とランニングコストの削減に貢献します。

●長寿命化と信頼性の向上:

コーティングの剥離防止と優れた耐摩耗性により、ベアリングの寿命を大幅に延長し、予期せぬ故障によるダウンタイムを削減します。特に、潤滑不良時においても高い信頼性を維持できる点は、緊急時の安全性確保にも寄与します。

●メンテナンスコストの削減:

部品の長寿命化は、交換頻度の低減に繋がり、メンテナンスにかかる時間とコストの削減に貢献します。

まとめ

FT Engineering Co., Ltd.は、長年の研究開発により、高硬度と剥離耐性、そして低摩擦性を両立させた画期的な特殊DLCコーティングを開発しました。この新技術は、ドイツKMF社製ベアリングの性能をさらに引き出し、お客様の機械部品の信頼性向上、動力損失の低減、そしてメンテナンスコストの削減に大きく貢献するものと確信しております。今後も、お客様の多様なニーズにお応えするため、更なる技術革新に努めてまいります。