【eVTOL・ドローン】次世代モビリティの航続距離を伸ばす、シェフラーの「超軽量・メンテナンスフリー」軸受技術

「空の移動革命」として実用化が迫るeVTOL(電動垂直離着陸機)や大型ドローン。 バッテリーのエネルギー密度に制約がある電動航空機において、エンジニアが直面する最大の課題は「機体の軽量化」と、高頻度運航に耐えうる「メンテナンスフリー化」ではないでしょうか。

今回は、弊社が取り扱うシェフラー(Schaeffler)が持つ、まさに次世代エアモビリティのためにあるような2つの革新技術、『ELGOTEX(エルゴテックス)』と『ELGOGLIDE(エルゴグライド)』をご紹介します。

1. 「鉄」を捨てる決断。劇的な軽量化を実現する『ELGOTEX®』

eVTOLの航続距離を伸ばすために最も効果的なのは、部品単位での徹底的な軽量化です。 シェフラーの『ELGOTEX(エルゴテックス)』は、従来の金属製ベアリングを過去のものにする、フィラメントワインディング(FW)技術を用いた複合材ブッシュです。

金属比 65%〜80% の軽量化 ガラス繊維と樹脂で成型されるELGOTEXは、同等強度のステンレス製ベアリングと比較して圧倒的に軽量です。多数のローターやリンク機構を持つマルチコプター型ドローンでは、この数グラム単位の軽量化の積み重ねが、フライト時間の延長に直結します。

CFRP機体との相性が抜群(電食フリー) eVTOLの機体フレームには炭素繊維(CFRP)が多用されます。金属製ベアリングを直付けすると「電食(異種金属接触腐食)」のリスクがありますが、ELGOTEXは絶縁体であるため、CFRP部材に直接組み込んでも腐食の心配がありません。

完全耐食性 金属を含まないため、海上飛行や屋外保管でも錆びることがありません。

2. 高頻度運航を支える自己修復技術『ELGOGLIDE®』

「空飛ぶタクシー」としての運用が想定されるeVTOLは、従来の航空機とは比較にならないほどの高頻度(ハイサイクル)で離着陸を繰り返します。そこで問題になるのが、可動部の摩耗とグリスアップの手間です。

シェフラーの独自ライナー技術『ELGOGLIDE(エルゴグライド)』は、この課題をトライボロジー(摩擦工学)で解決します。

摩耗粉を「潤滑剤」に変える ELGOGLIDEのテフロン(PTFE)織布ライナーは、初期摩耗で発生した微細なPTFE粒子を圧力によって摺動面に定着させ、「移着膜」という自己潤滑層を形成します。 つまり、動けば動くほど潤滑被膜が形成される自己修復的なメカニズムを持っており、高荷重・高頻度の動作でも給油なし(メンテナンスフリー)で長寿命を維持します。

静粛性と振動減衰 都市部上空を飛行するeVTOLにおいて、騒音(ノイズ)対策は重要です。ELGOGLIDEの厚みのあるファブリック構造は、金属接触のような微振動を伝えず、減衰させる効果があります。これにより、キャビンの静粛性向上や、センサー類へのノイズ低減に寄与します。

3. 精密制御のための『ELGOGLIDE-W11』

多数のプロペラを協調制御し、姿勢を安定させるeVTOLには、アクチュエーターの精密な応答性が求められます。

スティックスリップ(カクつき)ゼロへ 低摩擦グレードの『ELGOGLIDE-W11』は、動き出しの摩擦抵抗を極限まで低減しています。これにより、微細な姿勢制御においてもアクチュエーターが滑らかに追従し、フライトコントローラーの指令通りの安定した飛行を実現します。

まとめ:次世代の空に、最適なベアリングを

「軽さ」で航続距離に貢献する ELGOTEX

「長寿命」で運航コストを下げる ELGOGLIDE

シェフラーのこれらの技術は、既存の航空機技術の転用ではなく、これからの電動航空機時代を見据えたソリューションです。 FT Engineeringでは、eVTOLやドローンの開発プロジェクト向けに、これらの高性能軸受の選定・提案を行っております。軽量化や長寿命化の課題をお持ちの設計者様は、ぜひ一度ご相談ください。