AI全盛の時代だからこそ、私たちが「物理(メカ)」の深淵にこだわり続ける理由
ソフトウェアが進化しても、物理法則からは逃げられない
今、世の中はAIやソフトウェアの進化に沸いています。「制御プログラムさえ賢ければ、機械の不備はどうにでもなる」—そんな風潮さえ感じることがあります。
確かに、FEM解析で極限まで軽量化し、生じた振動や熱変位をプログラムで補正する設計は合理的です。しかし、私たちはあえて問いたいのです。「その機械に、物理的な『素性の良さ』はあるのか?」と。
かつて、40年以上前の工作機械は、鋳物を10年以上も屋外で「枯らし」、応力を解放させてから加工されていたりしました。それは、目に見えない物理現象への深い敬意と、何十年先も狂わない精度への執念でした。私たちは、この「物理的な誠実さ」こそが、これからの自動化社会を支える真の基盤になると信じています。

AIは「脳」であり、メカニズムは「体」である
どれほど優れた脳(AI)があっても、それを体現する体(メカ)が脆弱であれば、そのシステムは真の力を発揮できません。
私たちが扱うKMF(ドイツ)の特殊ベアリングや、現在開発を進めている電動グリッパー「FT-eGripper」などは、いわば「最高の筋肉と骨格」を目指した製品です。
・ソフトの負担を減らす「精度」: 物理的なガタツキを極限まで抑えることで、制御アルゴリズムは本来のポテンシャルを100%発揮できます。
・「不可能」を「可能」にする「構造」: KMFスリムスプリットベアリングのように、物理的な制約をアイデアで突破する力。これはソフトウェアだけでは決して到達できない領域です。
金属の手触りを忘れないでほしい
機械系メーカーで設計に携わる若い皆さんは、日々シミュレーション画面と向き合っているかもしれません。しかし、どうか「金属の手触り」と「物理の重み」を忘れないでください。
プログラムで無理やり補正された「ギリギリの設計」は、いつか物理的な疲労となって現れます。一方で、物理的に理にかなった、素性の良い機械は、何十年という時を超えて現場を支え続けます。
「使い捨ての自動化」ではなく「次世代へ続く循環型社会」へ。
私たちがKMF製特殊ベアリングにこだわり、メンテナンスの簡素化を追求するのは、既存の巨大なインフラや設備を「壊さずに、長く、大切に使い続ける」という社会的責任があると考えているからです。
FTEの信念:物理の力で、未来を支える
私たちFTE(エフティーエンジニアリング)の役割は、単に海外の優れた部品を輸入・販売することではありません。
「物理学への誠実さ」を形にしたプロダクトを届け、エンジニアが誇りを持って設計できる「強固な土台」を提供すること。これが、私たちの信念であり、果たすべき社会的責任です。 どれだけ世界がデジタル化しても、最後に動くのは「物」です。私たちはこれからも、その「動く」という奇跡を、最も美しく、最も信頼できる形で支え続けていきます。
編集後記:
AIがどれほど進化しても、物理的に働く機械がこの世から消えることはありません。だからこそ、私たちは誰よりも深く「物理」を愛し、探求し続けます。 共に、10年、20年先も「この機械があって良かった」と言われる未来を創っていけることを信じております。


