電動グリッパーの常識を覆す。新構造リニアガイドユニット「FT-eグリッパー」

1.開発の背景:カーボンニュートラル時代の「脱・空圧」へ

昨今の製造現場では、省電力化やCO2削減を目的とした「脱・空圧(エアレス化)」が加速しており、ロボットハンドやグリッパーの電動化ニーズが急増しています 。しかし、従来の電動グリッパー用ガイド(ミニチュアリニアガイド等)は、「高コスト」「重量過多」「構造の複雑さ」といった課題があり、導入の障壁となっていました。

FT Engineeringは、株式会社ファイブ・テックとの共同開発により、これらの課題を根本から解決する特許出願中の新機構を採用したリニアガイドユニット「FT-eグリッパー」を開発いたしました。

2. 技術的革新:特許出願中の「ハイブリッド構造」と「定圧予圧方式」

本製品の最大の特徴は、従来の「削り出し一体構造」を捨て、機能ごとに最適化された素材を組み合わせる分離構造にあります。

① 異種材料のハイブリッド構造による軽量化と高剛性

従来のリニアガイドは、ガイドベース全体に重い軸受鋼などの高硬度金属を使用していました。

FT-eグリッパー」では、ガイドベース(本体)に軽量なアルミ押出材を採用し、転動体が接触する軌道部分にのみ、KMF社製スリムスプリットベアリングで確立された特殊転造圧延による高硬度、高精度な軌道面を配置する構造を実現しました。これにより、必要な剛性と耐摩耗性を確保しながら、従来比で劇的な軽量化を実現。ロボットアーム先端のイナーシャ低減に大きく貢献します。

② 転動体循環を廃した「有限ストローク」×「定圧予圧」

一般的な循環式リニアガイドは構造が複雑で、循環時の振動やノイズが発生します。

本製品は、グリッパー用途に最適化した転動体が循環しない有限ストローク方式を採用。さらに、独自の板バネ等を用いた「定圧予圧機構」を組み込むことで、有限ストローク方式の弱点であった「すきま管理」の問題を解決しました。常に一定の予圧が転動体にかかるため、ゼロクリアランス(内部隙間なし)での滑らかで高精度な動作を長期間保証します。

③ 大径ボール採用による高把持力

循環路を持たないシンプルな構造のため、従来のミニチュアリニアガイド(ボール径1mm程度)と比較して、より大きな大径ボール(2mm以上)の採用が可能となりました。 これにより接触面積が増大し、同サイズ比で高い把持力と負荷容量を発揮します。

3. FT-eグリッパーが提供する5つのメリット

1.圧倒的なコストパフォーマンス

 特殊圧延製法のレールとアルミ押出材の採用により、従来の切削加工依存の製造プロセスを刷新し、大幅なコストダウンを実現しました。

2.ロボット負荷を下げる「超軽量設計」

 鋼材の使用を最小限に抑え、主要部材をアルミ化。可搬重量の制限が厳しいロボットハンドに最適。

3.高精度・静音動作

 循環機構がないため、ボール通過時の振動(音)がありません。定圧予圧によりガタつきのないスムーズな動きを提供します。

4.高い設計自由度と短納期開発

 本体はアルミ押出材のため、お客様の製品に合わせた形状設計が容易です。「直動ガイド付帯ボディ」として予圧調整済みで納品されるため、モーターとギアを組み込むだけで電動グリッパーが完成します。

5.高負荷対応

大径ボールの採用により、コンパクトながら高い剛性と把持力を実現しています 。

4. 製品ラインナップ

超小型から高剛性モデルまで、幅広いニーズに対応します。

*アルミ押出材のボディはお客様のご希望により専用で製作対応可能です。

お問い合わせ・共同開発について

FT Engineeringは単なる部品供給に留まらず、お客様の製品開発を加速させる「技術パートナー」として、形状設計や技術検討の段階からサポートいたします。「構想」段階からでも、ぜひお気軽にご相談ください。

設計・開発: エフティーエンジニアリング株式会社 製造・販売: 株式会社ファイブ・テック

電動グリッパーの常識を覆す。新構造リニアガイドユニット「FT-eグリッパー」のカタログ(PDF) は、以下の画像をCLICK

電動グリッパー用直動ユニット【FT-eグリッパー】
電動グリッパー用の直動ユニットです。カスタマイズ可能。高精度、高剛性、高耐久性